レディースオープン・トーナメント2006中継サイト

再開

昼食休憩

図の△３三角で昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲矢内57分、△里見１時間12分。昼食の注文は、両者ともなし。

先手が仕掛けたあたりでは、中飛車側にキズがあり早くも対処が難しいとの評判ですが、里見１級が長考の末指した△７三桂が竜王も感心する好手でした。

「ピンチを凌ぎましたね。後手はこれからどんどん良くなる形をしています」（渡辺竜王）。

（駒は大竹竹風作、書体は菱湖）

終局後に記者会見の予定

本日は報道陣が多く集まったため、どちらが勝っても終局後に共同記者会見が開かれるそうです。その模様はこちらでお伝えいたします。

（平成16年前期女流育成会、昇級の一番を伊奈川愛菓育成会員（現女流２級）と戦う里見育成会員。アマ時代はトレードマークの青いタオルを首にかけて戦っていた。育成会入会後このタオルは膝かけに変わり、今日までそのスタイルを突き通している）

（伊奈川－井道の感想戦に加わる里見。井道も女流棋士となり、現在室田、里見と共に「キラリっ娘」のユニット名で活躍中）

里見女流１級の近況

里見女流１級は第１局目の後に、地元の高校を受験。その後、21日に「第２回きしろ杯関西女流メイショウ戦」で山田朱未女流初段を下して非公式戦ながら嬉しい初優勝を果たし　ました。
　明日も第29期女流王将戦・本戦１回戦の斎田晴子倉敷藤花戦があります。タイトルホルダーとの連戦ですが、里見１級によると「楽しんで指したい」ということになります。

　今期成績はこれまで15勝3敗（0.8333）。今期女流棋士の勝率ランキング、堂々の１位です（２位は矢内女流名人）。

　

第２回きしろ杯関西女流メイショウ戦・決勝戦 （07.1.21　兵庫県明石市「明石市立生涯学習センター」）

　

矢内女流名人の近況

矢内女流名人はこの第２局の前、17日に「第20期竜王戦・ランキング戦６組」１回戦で金沢孝史五段と対戦しました（金沢勝ち）。今期の成績はここまで９勝２敗（0.8182）。２月８日からは中井広恵女流六段との女流名人位の防衛戦が始まります。
レディースオープンの３局目は22日、ここで勝って若手の勢いを止め、防衛戦に臨みたいところでしょう。
　
　矢内女流名人は先日「第２回さいたま輝き荻野吟子賞」を受賞しました（表彰は２月２日）。
  同賞は男女共同参画社会づくりの推進に功績があった個人や団体等を表彰するもので、日本で最初の公認女性医師となった「荻野吟子」にちなみ、女性と男性が個性と能力を発揮し、あらゆる分野に対等に参画することができる男女共同参画社会づくりを推進するとともに、郷土の偉人である荻野吟子を顕彰するため、平成17年度に創設されました。

（平成16年、第46期王位戦での矢内現女流名人。岡崎洋六段を破って公式戦３回戦進出を決めた。テレビ棋戦以外では女流初の快挙）

里見女流１級長考

現在37手目の▲５六歩で里見香奈女流１級が長考中。検討されている手順の一例は△５一飛（▲４一銀を消す）▲５五歩△同角▲５六銀△３三角▲５五歩△同銀▲同銀△同角▲５八飛△５四歩▲５五飛△同歩▲６五歩△同歩▲８六角△６四銀打▲１八角（参考図）。▲１八角が天野宗歩ばりの「遠見の角」。△５四歩と角道を止められないので受けが難しい。△７五歩なら▲７四銀が、△７三玉には▲８二銀がある。

そこで、▲５六歩に△６五歩と突いて攻め合う手も検討されています。ただ、陣形が不安定な後手は受けきるのが大変らしく、先手を持ちたいと渡辺竜王が早くも判定。里見女流１級に手段はあるか。

（藤井九段に「すでに収拾困難です」と解説する渡辺竜王）

里見囲い

控え室では渡辺竜王、近藤五段らが検討をはじめています。図の△６二銀に「わーやったよ」と歓声があがりました。「昔のおじさんが愛用しそうな囲いなんですが…里見さんはこれが好きなんでしょうね」（渡辺竜王）

現代将棋の申し子・渡辺竜王からすれば少々古い？囲い方に見えるようです。

「これは矢内さん、穴熊にするチャンスですよ。え、矢内さん穴熊やらないんですか？なんで？？」（渡辺竜王）

矢内女流名人の作戦は

矢内女流名人のゴキゲン中飛車対策は中央での早めの戦いをさけ、じっくりと構えることが多い。本局も角道を止め、じっくりと構える方針のようだ。穴熊はほとんど指さない矢内女流名人。▲７七角と上がり、左美濃か穴熊どちらか、どういった囲いを見せるのだろうか。

矢内名人、初手▲７六歩

（目をつぶり、定刻開始の合図を待つ）

（初手を指す棋士の背後に、これだけ報道陣が居るのは見たことが無い。ほとんどの記者が里見側を撮影するという異様な雰囲気の中、初手▲７六歩が指された）

（里見はすぐに△３四歩を着手した）

里見１級の中飛車

中飛車を得意とする里見女流１級だが、ゴキゲン中飛車だけではなく、第１局のようなツノ銀中飛車のようなオーソドックスな中飛車も多い。里見１級のゴキゲン中飛車は本局のような飛車先の歩を早々と切らせる指し方は少ない。用意の作戦であろうか、今後の駒繰りが注目される。