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矢内女流名人の指し手は意外な▲5三角成でした。△6二銀に▲2六馬とじっと引きました。対する里見女流1級はすかさず△8五歩。
控え室のムードはかなり局面が接近しているのでは、という雰囲気。局面はクライマックスが迫っている。
△8五歩▲同歩に△6四桂ではないか、と見られていたが、里見女流1級は△8六歩▲同銀△3五歩。最後の△3五歩に控え室は「?」
時刻は16時になろうとしています。控え室には新たに石橋四段、早水二段が訪れています。
局面は矢内名人の▲4二角を機に、後手にも楽しみが出てきました。里見1級の離れず、ぴったり食いついていく指しまわしに、検討陣がしきりに「強い」を連発しています。どのようなところが強いんですか?と記者の問いに、「将棋が強いです」と片上五段。
△6五桂 寄せを視野にとらえた里見女流1級らしい手が出た。△4一歩から引っ張り込んで指す変化を検討していた控え室では、現れなかった手。 ▲6三成銀から駒を渡すのは7七へ打ち込む駒を渡すので怖い。それに備えて矢内女流名人は▲7八金と上がって受けたが、里見女流1級はすかさず△5九角と打ち込む。 玉型が不安定な形から力を発揮する里見女流1級の指し回しに渡辺竜王とはじめとする控え室の検討陣からも声が上がる。
▲6三成銀△同銀▲6四歩△5二銀▲6三金△8三玉▲5二金△7七銀!という手順になるがギリギリ先手が勝ちそう。そこで▲6三金に△同銀と取ってどうか、という手順の検討に移っているが、これも矢内女流名人が残っていそうという見解が出つつある。
(15時すぎ、斎田晴子倉敷藤花が来訪。明日里見1級と女流王将戦を戦う。また本局を土曜日の「囲碁・将棋ジャーナル」(衛星第二)で解説する)
(中井六段も来訪。矢内女流名人への5番勝負を控える)
(15時半の対局室。局面は終盤を迎えている。)
両者の持ち時間は残り1時間を切った。 ここが後手の反撃のしどころ。△6六歩▲同金△3九角▲6八飛△4三金▲6二銀成△同玉▲6四角成△6三歩が一変化。 今は△6六歩に▲6八金引の変化が並べられている。
控え室は午後になって中原永世十段、深浦八段、石川六段、片上五段、戸辺四段など、続々と棋士が訪れ、注目度の高さがうかがえます。
局面は先手ペースで進んでいます。中盤で後手が△8五歩から桂交換をしたのが急ぎすぎで、里見1級は形勢を損ねました。矢内名人がそのまま手厚く押し切るのか、里見1級が得意の終盤でチャンスをつかむかが今後の焦点です。
(中飛車党の戸辺四段も渋い表情)
△4三金としたため、▲2八飛と回られて成り込みを受ける手はありません。後手からどうして攻めるのか、控え室は△6五歩からの攻めしかありません。以下▲2三飛成△6六歩▲同金(▲6八金引は△8五歩)△4八角▲6七金△3七角成▲6四歩といった手順で先手が一手勝っているのでは、との見解です。
△4八角で△6五歩▲6七金引△6四角という手順が検討され始めた時、△3三金が指されました。控え室からは声にならない悲鳴が上がりました。上がったばかりの金を寄る、感触の良くない手です。
渡辺竜王、櫛田六段、近藤五段といったメンバーの控え室では図の局面で△2七角という手が検討されていました。次に△4六歩~△3六角成が狙いで、先手は▲2四歩△同歩▲2八飛△4九角成▲5七角△7五歩といった変化が並べられていました。しかし本譜は△8一飛。次に上部に備えて、▲8七銀とした時に、また△2七角の筋がないか、再度検討が進められています。
攻めを得意とする里見1級は少考の後、△8五歩。飛車の転回からの狙いを継続させました。
ニューヨークヤンキースに移籍する井川慶投手は熱心な将棋ファンでも知られています。この度日本将棋連盟より、初めての将棋親善大使に任命されました。連盟からは委嘱状ならびに、初段免状が贈られました。免状は会長米長邦雄、名人森内俊之、竜王渡辺明、三冠羽生善治の署名が入っています。また盤駒29組(井川投手の背番号にちなんで)、将棋世界、そして井川投手が日ごろから研鑽している詰将棋の本がニューヨークに後日送られます。
井川投手は、この授与式の前に特別対局室を訪れ、レディース決勝を観戦されたそうです。
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