図は里見女流初段が△3八歩と手裏剣を飛ばした局面。うまい手筋のようですが、▲2五銀をうっかりしました。△7四飛には▲3八飛と歩を払う手が、手順に金当たりとなります。△3八歩では単に△7四飛とゆさぶりをかけるべきでした。
しかし里見女流初段も中盤で力を出し、図では勝負形となっています。本譜の(1)△6六歩は惜しまれる失着。代わりに(2)△6六角ならば大変でした。変化の一例は▲同銀△同歩▲同金△7五歩(3四銀取り)などです。
また72手目△7三銀ではまだ△9二玉が粘りがあったか。里見女流初段にとっては得意の中終盤で間違えてしまう、残念な一局となりました。
97手までで清水女流王位が里見女流初段を降し、千葉女流王将への挑戦権を獲得しました。終了時刻は15時23分。消費時間は清水1時間44分、里見1時間59分(持ち時間各2時間)。
▲5五角の王手に対し、里見初段は△7三銀。
清水王位はここから▲同角成△同玉▲6五桂打(図)と襲い掛かりました。先手玉は飛車の横利きがあり、かなり猶予がある形。押さえ込みから一転、清水王位が鋭く寄せに出ました。
(記者室を訪れた伊藤真吾新四段と千葉幸生五段。女流王将は本日自宅待機だそうです。「せっかくなので里見さんと指してみたいと言ってましたが…これは苦しいですね」)
駒損ながら敵玉に迫った後手ですが、図の▲5五角が厳しい王手。どう応じても味の悪い形です。
残り時間は▲清水49分、△里見19分。清水優勢がはっきりしてきました。
3日前にキラリっ娘ファンフェスタhttp://www.kansai-shogi.com/event/07fanfesta.htmlにて山崎七段を破った里見初段。8日には地元出雲市で新鋭佐藤天彦四段、戸辺誠四段との記念対局が予定されています。普段対局のために深夜バスで移動する里見初段の逆バージョンで、両棋士が東京から11時間バスに乗ってくるというユニークな企画。 本局に勝つと、初のタイトル挑戦となり、二段昇段の資格を得ます。勝った場合には記者会見も予定されています。里見フィーバーは新年度になってもまだまだ続きそうです。
再開後、△7三桂▲2四歩△4四角▲3六金△6五歩(図)と進みました。
途中▲3六金で▲3五金のぶつけを予想していた控え室はびっくり。押さえ込まれている後手はこの手番をうまく活かしたいところです。
里見初段は少考ののちに△6五歩。▲4五歩なら△6六角と飛び出し、▲同銀△同歩▲同金なら△7五歩がうるさいと見ています。
先手陣は食い破られるともろい形。勝負どころで清水王位が長考に入りました。
(13時、対局再開) (苦戦の里見、終盤で巻き返せるか)
(清水らしい展開の中盤戦)
(里見はしばらく考えつづけていた)
(今日の東京は雨)